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パパと私

不倫をしちゃったパパだけど、今は普通に暮らしています。

パパが感じていた寂しさ

夫婦関係の再構築

自分の意思で自分の体を傷付ける。

そして、流れる赤い血を見て安堵感に包まれる。

そんな愚かな行為を、私はしばらく続けていた。

 

家族が寝静まった、暗くて寂しい部屋の片隅で。

 

でも、ある日、私の手首にある無数のためらい傷にパパが気付いてしまった。

 

「どうしたの、これ・・・。」

 

パパは、眉間にしわを寄せて私を問い詰めた。 

私の手首の傷をさすりながら・・・。

 

「ごめんなさい・・・。」

「俺、どうしたらいいの? 本当に、もう何もないんだ・・・。」  

 

今度は、私がパパを苦しめている。

パパの辛そうな顔を見て、私はそう思った。

そんなつもりじゃ、ないのに・・・。

 

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パパは不倫が発覚した後、休日も何処にも行かず私のそばにいてくれる。

仕事の日も、真っ直ぐに家に帰ってきてくれる。

今までしなかったメールも、私が昼間寂しくならないように、小まめにしてくれるようになった。

私が昼間にお酒を飲んでいると知った後、「飲むのは俺がいる時だけにして」と言い、夜一緒に飲んでくれた。

本当は寂しさを紛らわすためのものだから、夜は必要がなかったけれど、パパの気持ちが嬉しくていつも一緒に飲んでいた。 

 

パパは、 毎日頑張ってくれている。

私のために。

家庭を壊さないために。

なのに、私は・・・。

 

その夜から、 パパは私の左手首を持って眠るようになった。

痛みを感じない程度に、そっと包み込むように。

私はいつも、パパの寝顔を見てから眠りについていた。

だからその日も、私の手首を持って眠るパパの寝顔を眺めていた。

 

安心しきった、穏やかな寝顔。

とても、優しい顔。

でも、さっきのパパの表情は、とても悲しそうだった。

あんな顔、もうさせたくない・・・。 

私は眠っているパパに、「ごめんね」って静かに呟いた。

誰にも聞こえないほど、小さな声で。

 

その夜、私はカッターを手にすることなく朝を迎える事が出来た。

それからは、二度と自分の体を傷付けるような事はしなかった。

昼間に飲むお酒の量も、少しずつだけど減っていった。

 

今思うと、パパはすべて自分に責任があると感じていたように思う。

パパが不倫をして彼女の存在を必要としたのには、私にも責任があった事なのに。 

私は家の事も子育ても、ずっと全部一人でやってきた。

パパに相談した事なんて一度も無かったぐらい、自分がやらなきゃと思い必死に頑張ってきた。

でも、パパはそれを寂しく思っていたのかもしれない。

仕事だけに専念して欲しかった私の気持ちとは裏腹に、家の中に居場所が無いと思い寂しさを感じていたのかもしれない。

パパはそんな寂しさを私に言えず、自分の事を必要としてくれる彼女と一緒に過ごす事で、自分の存在の意義を実感していた。

 

少し冷静になって考えられるようになった私は、そんな思いをパパにさせていた事を申し訳なく思った。

だから、これからはパパが喜ぶような事や、パパがして欲しいと思う事を出来るだけしようと思った。

そういう風に思った事は、今まで無かったかもしれない。

それが、私のいけない所だったのかもしれない・・・。

 

今度は、私がパパを幸せにする番だ。

 

そう思えた時、心の中がふっと軽くなったような気がした。

そして、二人で過ごす未来が、ぼんやりとイメージ出来るようになった。

 

そんなある日、私はパパをデートに誘った。

 

「パパ、昔買ったレコード、また聴きたいなって前に言ってたよね?」

「うん。 それが、どうしたの?」

「プレイヤー、買いに行こうよ。」

「いいの?」

「うん。 一緒に見に行こ。」

 

パパは少し驚いたような顔で私を見つめた後、優しい笑顔を見せてくれた。

それは、私が一番見たかったパパの顔だった。

そして、二人で手を繋いで歩き、私たちは一緒に楽しい時を過ごした。 

 

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初めから読みたいと思ってくれた方は、こちらの初回エントリをどうぞ。

不倫が変えた私の生き方 

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