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パパと私

不倫をしちゃったパパだけど、今は普通に暮らしています。

妄想の中のふたり

夫婦関係の再構築

 

翌朝、パパはいつも通りに身支度を済ませ、私にこう言った。

 

「ちゃんと、話をつけてくるから。」

 

私は小さく頷き、いつも通りにパパを見送ろうとした。

でも、玄関でパパの背中を見た途端、涙がこぼれてしまった。

 

「どうしたの・・・?」

 

パパが、そう言いながら心配そうに戻ってきた。 

 

「ごめん・・・あの人のいる所に見送るの、辛くなっちゃって・・・。」

 

パパは、そっと私を抱きしめた。

 

いつも当たり前のように見送っていたパパの背中が、玄関を出た瞬間、すごく遠くに行ってしまいそうで。

私の知らない世界に行ってしまいそうで、私は寂しさが込み上げてしまった。 

仕事に行くとわかっていても、あの人と話をつけると言ってくれても、あの人のいる所に行くパパを、笑顔で見送ることは出来なかった。

 

「ごめんな・・・。 でも、大丈夫だから。」

 

子供のように泣く私を、パパは全部包み込んでくれた。

 

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パパが出掛けた後、私は一人で考えた。

もし、彼女が別れたくないと言ったらどうしよう。

その想いに、パパの気持ちも揺れてしまったら・・・。 

 

心の不安が、頭の中の妄想を嫌でも膨らませる。

 

私の知らない世界で愛し合っていた、二人の姿。

私の知らない世界で、深く求め合っていた二人の情景。

 

気が狂いそうだった。

 

目を閉じると、一瞬でその世界が現れる。

望んでもいないのに、見たくもないのに、勝手に脳が作り出す。

私は、瞬きをする事さえも苦しくなった。

 

私は、いつもパパが飲んでいるお酒をグラスに注いだ。

飲めないお酒を無理矢理口にしたら、頭がぼうっとして瞬きをするのが怖くなくなった。

心が、少しだけ楽になったような気がした。

 

その日から、私は毎日お酒を飲むようになった。

パパも子供たちもいない、暖かな日差しが差し込む、昼間のリビングで。

 

夜になり、いつもの時間より少し遅めにパパが帰宅した。

その顔は、朝とは違う表情をしていた。

 

「彼女が、別れたくないって・・・。」

 

私は、何も言えなかった。

 

「もう前のような関係じゃなくてもいい、でも、時々は会いたい・・・。 そう言って、泣くんだ・・・。」

 

彼女の想いは、私の心を抉った。

そんな人がいる所にパパが明日も行くと思うと、胸が凍り付くように痛かった。

 

その夜も、私たちは寄り添うように眠った。

その時間だけが、私の心を柔らかく温めてくれた。

 

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初めから読みたいと思ってくれた方は、こちらの初回エントリをどうぞ。

不倫が変えた私の生き方 

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