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パパと私

不倫をしちゃったパパだけど、今は普通に暮らしています。

二人の影

夫婦関係の再構築

 

パパに抱きしめられていても、私は夢の中にいるように思えた。

起きてしまった事を、頭はわかっていても、心が拒絶しているみたいだった。

 

冷静さを取り戻したくても、悲しすぎて出来ない。

こうして強く抱きしめられても、パパの背中に腕を回す事が出来ない。

 

あの人を抱いた腕は、私の心まで抱きしめる事は出来なかった。 

 

反応の無い私の目を見て、パパは言った。

 

「俺は、こんなにも自分の事が嫌になった事は無いよ・・・。」 

 

そう言って、ゆっくりと立ち上がった。

 

「何処へ行くの?」 

「一人になって、頭冷やしてくる・・・。」

 

パパは、私を部屋に置いて出て行った。 

 

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私は一人になった部屋で、静かにパパを待った。

パパが帰ってきたら、もう一度ちゃんと話さなきゃ。

苦しいのは自分だけじゃない。

パパだって、あんなに泣いていたのに。

 

頭ではわかっていた。

でも、どうしても心がついてこない。 

自分でも不思議だった。

こんなに泣いて、こんなに冷静さを失ってしまうなんて・・・。

彼女に電話をした時の勢いは、もう私の中から無くなっていた。 

 

パパは、今まで通りに生きていきたいと言ってくれた。

あの涙は私のために流してくれた、そう思いたい。

でも、頭の中に、抱き合う二人の影が浮かぶ。

求め合う二人の影が、頭の中を埋め尽くす。

 

耐えられない。

 

私はただ、そんな思いのまま、呆然と部屋の壁を見つめていた。

 

しばらくして、パパが帰ってきた。

目を赤くして、憔悴しきった顔をしていた。

とても疲れているように見えた私は、パパに声を掛けた。

 

「パパ、もう寝た方がいいよ。」

「うん。」

 

今は、時間を置かなくちゃいけない。

そう思った私は、いつものようにパパとの間に子供たちを挟んで、横になろうとした。

すると、パパがこう言った。

 

「ママ。 こっちに来て。」

「どうして? いいよ、こっちで。」

「いいから。 こっちに来て。」

 

私は、戸惑いながらパパの隣に行った。

すると、パパの腕がまた私を抱いた。

驚いた私の体は、思わず固まってしまった。

 

「今は、こうしてないと駄目だ・・・。」

 

きっと、離れそうな二人の心を、パパは体を寄せ合う事で少しでも繋ぎたかったんだと思う。

 

彼もまた、不安で押し潰されそうだったに違いない。

 

私は、パパの腕の中で眠った。

でも、頭の中の二人が消えたわけじゃない。

それは、目を閉じるとより一層リアルな映像になり、私の胸を苦しめた。

 

それでも、私たちは朝まで離れなかった。

パパの腕は、とても温かかった。

 

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初めから読みたいと思ってくれた方は、こちらの初回エントリをどうぞ。

不倫が変えた私の生き方 

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