パパと私

不倫をしちゃったパパだけど、今は普通に暮らしています。

折れかけた心

 

静まり返った部屋にパパの声が響いた後、私は涙を拭きながら話を続けた。 

今向き合わないと、私たちは駄目になる。

そんな悲しい予感がしたから。

 

「パパ。 これから、どうしたい?」

 

私は、もう一度パパにそう問いかけた。 

 

「ママが許してくれるなら、今の生活を続けたい・・・。」

 

私は戸惑った。

こんな裏切りを受けて、今まで通りに過ごしていけるのかな。

そんな不安がふとよぎり、すぐには返事が出来なかった。

 

「ママ。 ママは信じてくれないかもしれないけど、俺は、ああいう事をしていても、ずっとママの事を想ってた。

 でも、彼女の誘いを断れなかった。

 俺は、何処かで逃げ場を探していたのかもしれない・・・。」

 

「私たち、あんまり上手くいってなかったもんね・・・。

 私も、ずっと自分の気持ちを素直に言えなかった。

 パパも私も、もっと素直になれば良かったね。 そうすれば、彼女とは・・・。」

 

 「俺が悪いんだよ、全部・・・。」

 

こんなにも心を見せるパパを、私は初めて見たような気がする。

そう思ったら、少しだけ嬉しく思えた。

 

この人は今、私だけを見ている。

こんなにも、真っ直ぐに私と向き合ってくれている。

 

そんな風に私は思ってしまった。

でも、それと同時に、ある疑問が頭の中をよぎった。

それは、答えを聞けば余計に辛くなるようなもの。

そして、それは始めから答えが見えている、浅はかで愚かな疑問だった。 

 

「パパ、聞きたい事があるんだ。」

「何? 何でも答えるよ・・・。」

 

 

 

「パパ、あの人のこと、抱いたの?」

 

 

 

バカな質問だった。

自分でも、どうしてそんな事を聞いたのかわからなかった。

大人の男と女が付き合って、何も無いわけないのに。

 

パパは、黙って私の顔を見つめていた。

私の言葉は止まらなかった。

止めたくても、もう止められなかった。

 

「パパ、あの人のこと抱いたんでしょ? パパ、幸せだった?」

 

まるで、無邪気な子供が大人にわからない事を聞いているかのように、私はパパに質問を繰り返した。

この時点で、もう私の心は折れかけていた。

 

「ママ・・・。」

「ねぇ、抱いたんだよね? パパは、どんな風にあの人を抱いたの?」

 

私の目は、涙腺が壊れてしまったかのように涙を作り続けた。

 

「ママ・・・そんな事聞いてどうするの・・・。」

 

「ねぇ、抱いたんでしょ? そうでしょ?」

 

「・・・そうだよ・・・。」

 

そんな答えは、聞かなくてもわかっていたのに。

聞いたら、確かめたら、もっと辛くなるってわかっていたのに。

 

でも、私は、また微笑んでいた。

涙を流しながら。

 

そんな私を、パパは抱きしめた。

 

「ごめん。 本当にごめん・・・。」

 

パパの力強い腕は、震えていた。

そして、パパの涙が、私の涙と一緒に頬を伝って行った。

 

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初めから読みたいと思ってくれた方は、こちらの初回エントリをどうぞ。

不倫が変えた私の生き方 


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