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パパと私

不倫をしちゃったパパだけど、今は普通に暮らしています。

二人の涙

不倫を知った時

 

私はその日、何も食事を取らなかった。

あのメモを見つけて以降、私の中から食欲が綺麗に消えてしまった。

それはこの事態が治まるまでしばらく続き、かなり体重が落ちてしまった。

その痩せてしまった私の体を抱きしめる度、パパはいつも悲しそうにしていた。

 

食欲が無くなるのは、生きている事に希望が見出せなくなった証拠。

 

そう。

あの頃の私は、生きているのを辛く感じていた。

本当は、すべてから逃げ出したい。

ずっと、そう思っていた。

 

 「ただいま。」

 

私の体は、パパの声を聞いた瞬間硬直してしまった。

きっと、これから起きる事態を心が無意識に恐れたんだと思う。

でも、逃げたくない。

そう思った私は、消え入りそうな声で必死に言葉を作り出した。

 

「おかえり。」

 

そんないつもなら何気ないやり取りも、今日はぎこちなかった。

パパは着替えもせず、スーツ姿のまま私の前に座った。

パパの顔は、心なしか少し青ざめて見えた。

 

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静かな部屋の空気に、緊張が走る。

私の心臓は、壊れてしまいそうなほど大きな音を立てていた。

でも、口火を切ったのは私だった。

 

「パパ、ごめん。

 会社に電話しちゃった。 本当の事が知りたくて、あの人に電話しちゃった・・・。」

「うん。」

 

パパは知っていたんだと思う。

彼女から聞いて。

 

「パパ。 あの人と付き合ってるの?」

「今は付き合ってない・・・。」

「前は、付き合ってたって事?」

「・・・・・・。」

「ちゃんと話して? 私も、ちゃんと聞くから。」

 

パパは、少しだけ泣きそうな顔をしていた。

それはきっと、目の前にいる私の涙を見たせい。

私は、自分の流した涙にも気付かないほど、パパの言葉に、心に、耳を傾けていた。

 

「彼女とは、2ヶ月前から二人で会ってない。

 でも、昨日あのメモをもらって、正直迷ってた・・・。」

「そか・・・。」

「だから、捨てれなかった。」

「うん。」

「ママ、ごめん。 本当にごめん・・・。」

 

私は、何故か微笑んでいた。

自分でも、それが不思議だった。

 

「パパ、これからどうしたい? あの人と、一緒になりたい?」

 

一瞬で、パパの顔が強張った。

 

「そんな事、一度も思った事ない!」

 

真剣な眼差しで、パパは私にそう言った。

そして、私と同じように、涙を流していた。

 

あの時の悲しそうなパパの顔を、私は今でも覚えてる。

狂おしいほど、愛しいほど、鮮明に。

 

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初めから読みたいと思ってくれた方は、こちらの初回エントリをどうぞ。

不倫が変えた私の生き方 

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